干潟における生存競争と融和:共存のメカニズム

干潟における生存競争と融和:共存のメカニズム


生物にみられる形態や生態に関する多様性は、自然淘汰によって環境に適応するような過程をへながら進化してきたと考えられている。
この適応進化は同じ種の集団内でおこるので、必ずしも種の多様化にはつながらないにも関わらず、
今日の地球上の生物多様性は多数の種の存在によって実現されている。

すべての生物は、他の生物となんらかの関わりをもちながら生活している。
「従ってある生物にとって、他の生物は環境となる」
この「生物的環境」は無機自然環境よりもはるかに多様であると共に変動性にも富んでいる。
生物の適応進化には「生物的環境」が大きな影響を及ぼしていると考えられる。
このような「生物間相互作用」で関わりあう多くの生物たちとっては、相互作用それ自体が更に
新しい環境を創り出すことで適応進化を継続させて種の分岐が続いてきたと考えられる。

■「競争排他に抗する理論」
(生存競争を避ける自然の仕組みによる考え方)
同じ生活資源を利用する他種との共存が許されているのは種数に応じて相互重複を少なくするような
生活資源の利用分けがなされているためである。
<競争を避けるための生物種間に働いている生存戦略>
 ・住み分け
 ・生活行動の時空間的差
 ・食性の質的許容範囲の差
 ・種による食物獲得の順位制

■「種間相互作用のネットワ-ク効果」
(生物間の相互作用が創り出す間接的効果の影響を重視した考え方)
捕食者であるヒトデによりイガイが摂食される事で空間ができる為に小型腹足類の多くの種が
着生生活を保障され、ヒトデ除去がかえって種数の減少を結果させるという例がこれである。
種間関係のネットワ-クにおける競争と協調の関係が相互に促進され、相互に媒介される結果が
その機構という事である。


 ※写真は三番瀬の干潟にてミヤコドリの見つけた貝を狙って、大空からカモメが舞い降た様子。
 (2010.2.21に撮影)

 ※本文の参考資料:北海道大学名誉教授 富士昭氏のレポート

2 Comments

kenz  

No title

綺麗な写真が撮れましたね。絵になっています。ポチ。

2010/02/22 (Mon) 16:45 | EDIT | REPLY |   

birding  

No title

kenzさん、コメントをありがとうございました。
なかなか笑える表情のカモメさんが撮影できました。

ウミネコや、ユリカモメはよく見かけるのですが・・・
普通のカモメ!
コレで結構、家の近所では珍しいのです(^^)。

2010/02/22 (Mon) 23:39 | EDIT | REPLY |   

Post a comment