海鳥の水分補給は?
ず~と海上で暮らしている海鳥は、水はどうしてるか?
雨の日を待つのだろうか?
魚の体液で補給するのだろうか?
「海鳥は海水を飲んでいた。」といことです!
20年ほど前に、アイソトープを用いる方法によって、海鳥が海水を飲むことによっても
水分を補給している、ということが実証されたようです。
しかし、大きく海水に依存しているわけではなく、ミズナギドリやクジラドリなど
ミズナギドリ科の仲間で摂取した水の8.5%~17% ほど、コガタペンギンでは6~30%
ほどになっていたということです。
エネルギー代謝の産物を利用するのも、水分を得るのに有力な方法です。
海鳥はこのようにして必要な水の10~15%を手にいれているのではないかという。
(1g の脂肪を燃やすと1mlの水が、タンパク質や炭水化物なら0.5mlの代謝水が得られます。)
<海水で生きていける秘密は塩腺>
海鳥は海水を飲んで水分を補給し、眼の近くにある塩類腺から、過剰な塩分を涙として排出している。
祖先の派生がご近所の爬虫類のウミガメの涙も、塩類腺から分泌された体液の2倍ほどの塩水だそうです。
飼育下のペンギンは、1週間以上、飲み水がなくても体重が減らなかったレポートがあるようです。
(小鳥に水を与えるのを忘れると、1 日でも体重が激減してしまします)。
参考情報元:浦野明央(北海道大学名誉教授)先生のレポート
写真:房総半島沖のクロアシアホウドリ 5月15日早朝