ハクセンシオマネキ
ハクセンシオマネキは、砂質干潟に生息するスナガニ科のカニ君です。
甲長12mm、甲幅18mmほどです。
干潟に深さ20~30cm程のJ字型の巣穴を掘り、その周囲をなわばりにしています。
餌は底生珪藻やバクテリアで、ハサミで干潟の砂粒をつまみ取っては口に運び、
なめるようにして食べます。
残った砂粒はまとめて捨てるので、直径2~3mmの“砂団子”になります。
繁殖期は、6月中旬から8月中旬で、この時期になると雌雄とも体色が乳白色に変化します。
雄は巨大ハサミを降って求愛のダンスを踊り、雌を巣穴に誘って交尾をします。
これを巣穴内交尾といいます。
他に、雄が雌の巣穴まで出かけて、巣穴の入口で交尾を行う表面交尾と呼ばれる交尾も行います、
2つの交尾様式をもつカニ君です。
2000年に発表された環境省レッドリストでは準絶滅危惧(NT)に指定されていましたが、
絶滅のおそれが増大したとの判断から2006年の改訂で絶滅危惧II類(VU)となっています。
生息地は、紀伊半島、瀬戸内海、熊本県(天草地方)、鹿児島県(万之瀬川河口)などです。
海外では、中国、台湾、朝鮮半島に生息しています。