美しきクチバシ:オオソリハシシギ
今日から10月
台風も過ぎ去り
青が大空にこぼれることでしょう
夜明けの干潟の美女
オオソリハシシギ
<美しさの向こうにある力つよさ>
アラスカで繁殖する渡り鳥のオオソリハシシギが、1万1千キロも休まずに太平洋を縦断する能力があることが、米地質調査所(USGS)アラスカ科学センターの研究でわかった(2008年11月)。
06年と07年、秋にアラスカから越冬地のニュージーランドやオーストラリア東部に南下するオオソリハシシギに発信器をつけ、人工衛星を利用して追跡した。
オス2羽は5~6日で約7千キロを、メス7羽は6~9日で8千~1万1千キロを無着陸で飛んだ。
最長距離は07年8月に飛び立ったメスで、8.1日間で1万1680キロを飛んでニュージーランド北部に着いた。
鳥はアラスカを飛び立つ前に十分にえさを食べて太り、追い風に乗って高度数千メートルを飛び続ける。
ハワイなど途中の島にはえさが少ないことや、降下や上昇による無駄なエネルギー消費を抑えることなどから、ノンストップ飛行をしているらしい(この鳥が滑空することはまれで、飛行中はほとんど羽ばたいているという)。
南への渡りを終えると体重は半減するが、越冬後にアラスカに北上するときはアジア大陸寄りのルートを取り、途中で着陸しえさを食べながら戻る(栄養状態が良いほうが繁殖に有利になるためとみられる)。